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かゆいところに手が届く労務管理のツボ

コラム執筆者プロフィール

溝口知実 氏

特定社会保険労務士。溝口労務サポートオフィス代表。千葉県出身。大学卒業後、IT企業の人事労務経理業務、公的年金相談のスーパーバイザー、社会保険労務士事務所勤務等を経て、平成26年溝口労務サポートオフィスを開業。主な業務は中小企業の労務管理全般にわたる相談、コンサルティング、就業規則の作成・改訂等。社会保険労務士10年以上のキャリアを活かし、お客様の発展のために、生き生きと元気なヒトと会社、社会づくりに貢献することを目指し奮闘中。
http://www.mizoguchi-sr-office.jp/


第019回 来年1月施行予定の介護休業制度の改正について

(2016年8月)

こんにちは。特定社会保険労務士の溝口知実です。
介護離職者は年間およそ10万人、そして2025年には団塊の世代が75歳以上の後期高齢者となる「大介護時代」に突入すると言われています。そんな中、介護をしながら働き続ける人の「介護と仕事の両立」への対応が求められています。「介護と仕事の両立」に向け、育児・介護休業法が改正され、今年8月1日からは介護休業給付金の支給率が40%から67%に増額されます。また、来年1月1日には以下の内容が施行予定です。

1.介護休業の分割取得
介護休業とは、労働者が介護を必要とする家族(対象家族)を介護するための休業のことです。これまでは、対象家族1人につき、通算93日まで、原則1回に限り認められていた介護休業を、通算93日まで、3回を上限として分割して取得できるようになります。

2.介護休暇の取得単位の柔軟化
介護休暇とは、労働者が対象家族の介護その他の世話を行うための休暇で、1年に5日(対象家族が2人以上の場合は10日まで)取得できます。
これまでは、介護休暇は1日単位でしか取得できませんでしたが、半日(所定労働時間の2分の1)単位での取得が可能になります。

※介護休業と介護休暇の違いは、介護休業は介護のために一定期間休業し、介護に関する長期的方針を決める期間と位置付けられます。また、介護休業給付金の支給対象となります。一方介護休暇は通院の付き添いなど単発的な休暇のことで介護休業給付金の支給対象となりません。

3.介護のための所定労働時間の短縮措置等
介護のための所定労働時間の短縮措置(選択的措置義務)とは、以下の4つのうちから事業主が対象家族の介護をする労働者に関して選択しなければならない措置のことです。①所定労働時間の短縮措置、②フレックスタイム制度、③始業・終業時刻の繰上げ・繰下げ、④労働者が利用する介護サービス費用の助成その他これに準じる制度
これまでは、介護のための所定労働時間の短縮措置は介護休業と通算して最大93日しか取得できませんでしたが、改正により、介護休業とは別に、利用開始から3年の間で2回以上の利用が可能になります。

4.介護のための残業の免除
改正により新設された制度です。対象家族1人につき、介護の必要がなくなるまで、残業の免除が受けられる制度が新設されました。

総務省「就業構造基本調査」(平成24年)によると、介護をしている雇用者のうち介護休業を取得した人の割合は、3.2%にとどまっています。今回の改正により、「介護と仕事の両立」が一歩進むことが期待されますが、企業内でも介護休業を取得しやすくするための制度の周知や介護がしやすい環境づくり、などの対応が求められます。介護は誰もが直面する可能性があり、介護離職は企業にとっても経営上の課題です。「介護と仕事の両立」を推進していくことは、今後ますます重要になってくるでしょう。



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